チップソーの「ヒズミ(歪)」(その1)
いつもブログを見ていただき、ありがとうございます。今日は久しぶりの強い雨となってしまいました。まさに「花散らしの雨」でしたね。では、4月7日木曜日、95日目 のブログです!
今日は「チップソーのヒズミ(歪)」のお話の第一弾です。
チップソーを使用しているときに、表面の仕上がりが悪い、あるいは加工しているときの音がいつもと違うなど、異常な状況の場合の原因の一つがチップソーに発生してしまった「歪(ヒズミ)」が挙げられます。
歪とは、「本来まっすぐであるべき台金が、何等かの理由により部分的あるいは全体的に湾曲(わんきょく)した状態」をいいます。そして、その種類としては、
- 「部分的歪」:台金の所々に凹凸が出来る
- 「おわん歪(かぶり)」:“おわん状”に左右どちらかに弓なりに曲がる
- 「折れ曲り」:座屈(ざくつ)「折れ的」変形
などがあり、これらが複合的に発生する場合もあります。(注)
(注)なお、チップソーの歪の場合、チップソーの「腰(こし)」という問題も同時に発生する場合があります。日頃、「チップソーの腰が抜ける」という表現をしますが、チップソーの台金部分の異常という点でいえば、この「腰」についての説明も非常に重要です。しかしながら、「腰」に関してはかなり複雑ですので、ここではわかりやすくするために歪についてのみお話していきます。
<歪(ヒズミ)の発生原因は?>
チップソーの歪は、さまざまな原因が複合的に絡んで発生します。その中でも一番大きな原因は、「切削加工中に発生する熱の影響」です。
チップソーは、材料と接触しながらその材料を加工していきます。そのため、摩擦熱が必ず発生します。その摩擦熱は、刃先が摩耗して切れなくなったチップソーでは、より高く発生します。さらに、刃先だけでなく、チップソーの台金部分も材料の締め付けによる接触で摩擦熱を発生します。先日お伝えした「切り粉」がうまく排出されないと、それも摩擦熱発生の原因になります。
それらの摩擦熱が台金に影響を与えて歪を発生させる原因となります。この点からも、チップソーの無理な使用は控えたほうがいいのです。
その他の原因としては、
・フランジの精度不良による鋸のブレ
・ギャングソーなどキャタピラ送りの左右の速度誤差による鋸へのダメージ
・難材加工による直進性不良で生じる鋸へのダメージ
・加工の際に材料にあてる定規がまっすぐになっていない。
・何等かの理由で回転方向に対して横から大きな力が入った
など、加工条件や機械的要素など、さまざまな、そして複合的な原因で歪は発生します。
<歪(ヒズミ)が起こったチップソーで加工すると?(歪による影響)>
歪や腰の状態が悪いと、刃物に振れが生じた状態で使用することになります。当然、さまざまな面で悪影響を及ぼします。
刃先が振れながら材料を加工することになりますので、カット精度も出ませんし、カット面の仕上がりも当然悪くなります。ナイフマークが強く出たり、材料にメラミンや紙が貼っている材料を加工した時にバリが発生したりと、その仕上がりが悪くなったりします。
また、歪が発生したままの状態でチップソーを使用するということは、無理な状態で使用していることになります。そのため、チップソーのライフ(刃持ち)が悪くなり、また、刃物本体の耐久性が低下し、最悪、チップソー本体が破損(割れなど)してしまうことがありますので、十分注意してください。
今日はこの辺で。後日、この続きをお伝えします。
では明日も、
即断! 即決! 即実行!
「やるなら 『今』 しかねえ!」