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チップソーの「整形加工」の大切さ

2016-04-01

いつもブログを見ていただき、ありがとうございます。新年度の始まりは雨の一日となりました。しかし、そんなに強い雨ではなく「花散らしの雨」にはならずにすみそうです。では、4月1日金曜日、89日目のブログです!

大府精巧は「機械用刃物の製造及び再研磨」を生業の柱にしております。その中でも「チップソーの研磨」は、創業以来、常に再研磨品の取り扱いの中心となっています。チップソーは一般の方でも、男性であれば、中学校の技術の授業で見たことのあるかもしれない刃物です。ホームセンターも普通に売っています。

その再研磨の際に、一番重視しないといけないことが「刃先の精度」でありますが、ここでは、チップソー本体の「整形加工の大切さ」をお伝えしたいと思います。

チップソーは、回転することによって刃先が加工材(木材やプラスチックなど)にあたり、その刃先が当たった部分を取り除き、その繰り返しで材料を切断していきます。その刃先の状況(きちんと刃先が鋭利になっているか、刃先の角度は設計どおりの角度になっているかなど)は確かに重要ではありますが、見落としがちなのが、「切削した後の『切りくず』がスムースに刃物から離れているか」です。

これは、切りくず(切り粉)が刃先の周辺にとどまっていると、その切りくずが再度刃先に当たって、刃先の磨耗が進めてしまう、また、切りくずがうまく移動(排出)できずに刃物の本体部分にとどまっていると、切りくずがチップソー本体と接触することによって摩擦熱が発生し、その熱がチップソー本体の「歪(ひずみ)」の一因にもなってしまう可能性があるということです。

つまり、切断した次の瞬間に、切りくずがどのように移動するかによって、その刃物のライフや仕上がり、刃物本体への悪影響などが発生する可能性があるということです。

これに多大な影響をもたらすのが「チップソー本体の整形加工の良し悪し」です。

チップソーには、「刃室(あるいは刃袋)」と呼ばれる部分と「背中」(下の図の中には正式な名称はありませんが、「先端逃げ面」とある部分の本体部部になります)と呼んでいる部分があります。その部分については、再研磨のときに状況判断して、必要に応じて「整形加工」(大府精巧では「背取り」と呼んでいます)をします。

研磨業者の立場から言えば、この「背取り作業」をきちんとしておかないと、鉄である本体部分が超硬合金である刃先を研磨する「ダイヤモンドホイール」に悪影響を与えて刃先の再研磨の際に「良い刃が付かない」ということがあります(この点については、また改めてお伝えします)。

さて、チップソーを使用しての材料の切断などの加工の際には、「材料を切削したその次の瞬間に切りくずが発生」し、その切りくずが刃物本体の近くを通過して刃物から離れていきますが、その通過する部分が「刃室」であり「背中」です。

仮に、刃室部分がきれいな形になっていないと、その部分に切りくずが滞留することになります。それは「切りくずをさらに切る」ことになります。無駄に刃先を使っていることになります。また、背中部分がきれいな形になっていないと、スムースに切りくずがチップソー本体から離れず、摩擦熱の発生の原因になります。

このように、ついつい刃先部分に目が行きがちなのですが、チップソーに関しては、本体部分の整形加工も重要なのです。

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大府精巧では、その整形加工に関しても重視をして、チップソーの整形加工をする機械を導入して対応しています。場合によっては技術者の手作業で整形加工をしますが、それも熟練の技できれいな形の整形加工をしております。このことによって、お客様により良い状態でチップソーを使用してもらえるようにしております。

研磨業者の良し悪しを判断する際には、「チップソーの背取りがされているか」あるいは「チップソーの背取りがきちんときれいな形でされているか」を見ていただくといいのかも知れません。

(天龍製鋸さんのカタログからお借りしました)

(天龍製鋸さんのカタログからお借りしました)

 

 

では、明日からの土曜・日曜は大府精巧はお休みを頂きます。ご了承下さい。

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